HACCP(ハサップ)とは、食品製造の全工程で危害要因を分析し、除去する衛生管理の手法です。「HACCP」の基準を満たすため、日々の清掃や記録に追われる中で、どうしても防ぎきれない「体毛落下」に不安を感じていませんか。
その悩み、ユニフォームの下に着る「高機能インナー」を見直すだけで、驚くほど簡単に解決できる可能性があります。なぜなら、最新のインナーは脇のネットやスナップボタンなど、異物を物理的に遮断する機能を備えているからです。



そこでこの記事では、現場の衛生レベルを確実に引き上げるための手順を、以下の3つのステップで解説します。
- ステップ①現状のユニフォームの弱点を分析する
- ステップ②専用インナーで物理的防御を強化する
- ステップ③快適性を確保し作業効率を維持する
働く人の快適性も守りながら、HACCP基準をクリアする具体的な導入手法について、順を追って見ていきましょう。
異物混入防止に効果的なHACCP対応インナーの事例

HACCP(ハサップ)の導入の義務化によって、もっとも頭を悩ませる問題が「異物混入」です。中でも体毛の混入は、消費者からのクレーム件数がもっとも多い事案の一つとして知られています。
食品工場などの現場では、ヘアネットや長袖の白衣着用は当たり前に行われています。しかし、それでも体毛の落下がなくならないのが現実です。これは、作業中の動きによって袖口や襟元から、内部の空気が押し出される「ふいご現象」により、体毛が外部へ放出されるのが主な原因とされています。
この課題に対し、多くの先進的な工場では「ネット付きインナー」の導入が進んでいます。これは、袖口からの落下を根元で断つための、もっとも合理的かつ低コストな解決策です。
◆小倉屋の「ネット付きインナー」の商品例

このインナーの特筆すべきポイントは、脇の下に配置された特殊なネットが、抜け落ちた体毛を確実にトラップし、袖口からの落下を未然に防ぐ「フィルター」の役割を果たす点です。
また、高頻度の洗濯にも耐えうる耐久性と、ドライ素材による快適性を兼ね備えており、現場の衛生管理レベルを底上げする強力なツールとなります。
小倉屋の「ネット付きインナー」と一般的なTシャツの違い

なぜ、専用のインナーが必要なのか、その理由は機能の差を見れば一目瞭然です。ここでは、一般的なTシャツと、HACCP対応を前提に設計されたネット付きインナーの違いを比較しました。
◆一般的なTシャツとネット付きインナーの比較
| 項目 | 一般的なTシャツ | ネット付きインナー |
| 体毛落下リスク | 袖口から落下する可能性がある | 脇ネットがキャッチし、外部放出を防止する |
| ボタン脱落 | 糸がほつれて混入するリスクがある | スナップボタンで脱落リスクが少ない |
| 吸汗速乾性 | 綿素材は乾きにくく不快 | ドライメッシュで速乾性がある |
| 耐久性 | 繰り返しの洗濯で劣化しやすい | 業務洗濯に耐える高強度設計 |
このように、単に服を着るのではなく「機能を着る」という考え方にシフトすることで、HACCPが求める高度な衛生管理基準をクリアできるようになります。

異物混入を防ぐインナー導入の3つのステップ
HACCP対応のインナーの導入は、衛生管理システムの一部として機能させるための重要なプロセスです。ここでは、導入で失敗しないための手順を3つのステップで詳しく解説します。
ステップ①現状のユニフォームの弱点を分析する
まずは、現在使用しているユニフォームのリスクを洗い出しましょう。とくに注目すべきは「袖口」と「ボタン」の仕様です。袖口がリブ(絞り)になっていても、激しく腕を動かす工程では隙間が生じます。
また、縫い付け式のボタンは、糸の劣化によりいつ脱落してもおかしくありません。これらの弱点を補うために、インナーにどのような機能が必要かを明確にします。多くの現場では「脇部分のメッシュ」や「脱落しないボタン」が必須条件となります。
ステップ②専用インナーで物理的防御を強化する
次に、分析した弱点をカバーする具体的な製品を選定します。ここで推奨されるのが「ネット付き」のシャツやポロシャツです。この構造は、万が一インナーの内側で体毛が抜けたとしても、ネット部分がトラップとなり、袖口への移動を物理的に阻止します。まさに「二重の防御壁」を作るイメージです。
また、ボタンには「スナップボタン(ドットボタン)」を採用しているものを選んでください。金属探知機に反応しない樹脂製のものや、破損しても破片が飛び散りにくい構造のものが最適です。
ステップ③快適性を確保し作業効率を維持する

衛生管理と同じくらい重要なのが、作業者の「快適性」です。とくに、高温多湿な食品工場では、熱中症対策が欠かせません。吸汗速乾性に優れた「ドライメッシュ素材」を選ぶことで、汗によるベタつきを防ぎ、体温の上昇を抑制できます。
快適な作業環境は、集中力の持続につながります。結果として、ヒューマンエラーによる事故や汚染リスクの低減にも寄与するのです。
HACCP導入で求められる現場管理の3つのポイント
衣服の対策と並行して、HACCP運用の基礎となる「管理」の側面も重要です。ここでは、HACCPにおける一般的な現場管理の要点を3つ紹介します。
ポイント①交差汚染を防ぐゾーニングの徹底
HACCPにおいて重要なのが、清潔区域と汚染区域を明確に分ける「ゾーニング」です。区域ごとにユニフォームやインナーの色を変えることで、視覚的に人の動きを管理できます。
たとえば、加熱前工程は「青」、加熱後工程は「緑」といったように色分けを行います。これにより、汚染区の担当者が誤って清潔区に入るといったヒューマンエラーを防ぎ、交差汚染のリスクを大幅に減らすことが可能です。
ポイント②従業員への継続的な衛生教育の実施
どのように優れた設備や衣服を用意しても、それを使う「人」の意識が低ければ意味がありません。手洗いの手順、衣服の正しい着用方法(袖をまくらない、髪の毛を帽子に完全に入れるなど)、体調管理のルールなど、定期的な教育訓練が必須です。
厚生労働省のHACCP関連資料などを活用し、正しい知識を全員で共有しましょう。
ポイント③記録管理によるトレーサビリティの確保
HACCPにおける記録は、万が一の事故に対する「唯一の証拠」であり、企業を守る強力な防御壁です。ユニフォーム管理では「いつ・誰が」に加え、粘着ローラーの使用や、異物混入の砦となる「脇ネットの破れ」「ボタンの緩み」といった劣化状況まで詳細に残す必要があります。
これらを記録してトレーサビリティを確保すれば、クレーム時に「適切な衣服で作業していた」事実を客観的に証明できます。記録は従業員とブランドの信頼を守るための生命線です。

HACCPでよくある3つの質問
最後に、HACCPの制度そのものについて、多くの事業者が疑問に感じている一般的な質問にお答えします。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問①HACCPの導入は、小規模な飲食店や工場でも義務ですか?
2021年6月より、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されました。ただし、小規模な事業者に対しては「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」という、負担の少ない基準が適用されます。
まずは、手引書を参考に計画の作成から始めてみましょう。具体的には、業界団体の手引書に基づき「計画作成」「実施」「記録」の3ステップを行えば要件を満たせます。
難解な分析は不要で、冷蔵庫の温度確認や手洗いなど、日々の当たり前の作業を記録に残す習慣づけから始めれば問題ありません。
質問②従来の衛生管理とHACCPは何が違うの?
従来の衛生管理は、主に最終製品の検査で安全を確認する方式でした。対してHACCPは、製造工程全体で危険を予測し、未然に防ぐ「予防管理」のシステムです。
具体的には、従来のような「抜き取り検査」では検査漏れのリスクがありましたが、HACCPは重要工程を連続的に監視・記録します。これにより、理論上すべての製品に対して安全性を担保できる点が、従来の管理手法との決定的な違いです。
質問③HACCP対応のために、工場や厨房の設備改修は必須ですか?
必ずしも大規模な改修が必要なわけではありません。なぜなら、HACCPはハード面(設備)よりも、ソフト面(手順や管理)を重視する考え方だからです。
古い施設であっても、清掃の徹底や交差汚染を防ぐ動線の工夫、適切なユニフォームの着用などで対応できるケースがほとんどです。まずは現状の運用を見直してみましょう。
たとえば、手洗い場が自動水栓でなくても、洗浄後の蛇口をペーパータオルで閉める手順を徹底すれば問題ありません。また、作業区域が狭い場合でも、作業時間をずらす「時間的ゾーニング」を行えば交差汚染は防げます。
お金をかける前に、知恵を使った対策を検討しましょう。
専用インナーを導入して安全で快適な職場を作ろう!
この記事では、HACCP対応におけるインナーウェアの活用事例と、衛生管理のポイントについて解説してきました。体毛落下などの異物混入リスクを最小限に抑え、かつ従業員が快適に働ける環境を作ることは、企業の信頼性と生産性を同時に高めます。
最後に、本記事で解説した、現場の衛生レベルを確実に引き上げるための3つのステップを改めて振り返りましょう。
- ステップ①現状のユニフォームの弱点を分析する
- ステップ②専用インナーで物理的防御を強化する
- ステップ③快適性を確保し作業効率を維持する
まずは、現在使用しているインナーを見直し、脇ネット付きやスナップボタンなどの機能を持った製品への切り替えを検討してみてください。小さな改善が、将来の大きな事故を防ぐことにつながります。安全でクリーンな現場づくりに向けて、今日から行動を開始しましょう。
なお、「小倉屋」では、今回ご紹介したネット付きインナーをはじめ、現場の衛生管理をサポートする高機能なユニフォームを多数取り扱っています。「サンプルを見てみたい」「自社に合うウェアを提案してほしい」など、どのようなご要望でも構いません。まずはお気軽にお問い合わせください。⇒小倉屋へのお問い合わせはこちらから






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