帯電防止ポロシャツとは、導電糸などを用いて静電気の発生や帯電を抑制する機能性ウェアのことです。帯電防止ポロシャツの導入を検討されている方の多くは、「冬場のパチパチとした不快感をなくしたい」「現場の安全管理を徹底したい」と考えているのではないでしょうか。
実は、使用環境に合わせた「素材」と「編み方」を正しく選ぶことで、静電気対策と同時に驚くほど快適な着心地を手に入れられます。帯電防止の効果は、「帯電防止機能」「素材」「編み方」「効果」の4つの要素で決まるからです。これらの違いを理解すれば、使用環境に最適な帯電防止ポロシャツを選べるようになります。
これらの安全で快適な帯電防止の効果を実現するために知っておきたいポイントを以下の4つのステップでご紹介します。
- ステップ①帯電防止の機能を知る
- ステップ②素材(繊維)ごとの違いを比較する
- ステップ③生地の編み方による違いを知る
- ステップ④帯電防止の効果
この記事では、帯電防止ポロシャツの効果を決める4つのステップを基本に、ビジネスや現場でも安心して着用いただける具体的な商品事例や、快適さを保つために欠かせない機能性まで詳しく解説します。



【用途別】小倉屋の帯電防止ポロシャツとTシャツの事例
商品ラインナップが充実している小倉屋のJIS8118適合商品をご紹介します。ここでは、代表的な4つのシーンごとにおすすめの素材や編み方、機能面をご紹介します。現場の課題や用途に合わせて、最適な一着を見つけてください。
事例①【製造業・現場服】耐久性と快適さを両立「ワッフルTシャツ」
製造業や現場服として着用する場合は、耐久性があり、型崩れしにくいものが適しています。そこでおすすめなのが「ワッフルニット」と呼ばれる、生地表面がワッフル(焼き菓子)のように凹凸のある編み方をしたニット素材です。
この独特な凹凸構造には、現場作業を快適にする3つの理由があります。
- 凹凸があるため 通気性が高く、汗をかいてもベタつきにくい
- 伸縮性があり、動きやすい・快適な着心地
- 凹凸構造が肌との接触面を減らすため、さらっとした感触
たとえば、小倉屋の「8131 帯電防止ワッフル長袖Tシャツ」は、まさにこのニーズに応える事例です。
◆小倉屋の「8131 帯電防止ワッフル長袖Tシャツ」

ワッフルのような凹凸構造が空気をためこむため、外気を遮断して暖かい。運送業や建設業、など幅広い現場で活用されています。
事例②【フォーマル・帯電防止ボタンダウンポロシャツ】汗をかいてもサラサラポリエステル100%素材」
接客を伴う配送業やサービス業では、機能性だけでなく見た目の清潔感も重要となります。JIS8118適合商品のボタンダウン長袖ポロシャツであれば、汗をかいてもすぐに乾き、肌にまとわりつく静電気を軽減します。
小倉屋一押しの帯電防止ボタンダウン長袖ポロシャツは、フォーマル感と実用性を兼ね備えたおすすめの商品の1つです。
◆小倉屋の「8027 帯電防止ボタンダウン長袖ポロ」

吸汗速乾性に優れたポリエステル100%の「カーボン糸+DRYメッシュ」生地を使用しており、ハチの巣状の構造が通気性と速乾性を極限まで高め、肌離れが良くベタつきません。
事例③【JIS8118適合帯電防止半袖、長袖ポロシャツ】
静電気が発生しやすい機器を扱う環境や、ホコリ・埃を抑えたい乾燥する事務所内作業には、JIS T8118適合の帯電防止ポロシャツが最適です。とくに、長時間の着用でもストレスを感じにくい「綿混紡」の素材が選ばれています。
◆小倉屋の「8119 帯電防止ボタンダウン長袖ポロ」

吸汗速乾性と耐久性に優れながらも、肌面はソフトな綿混紡繊維仕様(裏ポリエステル65%・綿35%カーボン糸使用)のため、静電気を抑制し快適な着心地が継続します。
運送業、製造業など幅広い現場で活用されます。
事例④【JIS8118適合帯電防止半袖Tシャツ、長袖Tシャツ】
危険が伴う工場現場や製造業では、上着だけでなくインナーの静電気対策も欠かせません。 小倉屋オリジナルのJIS T8118適合商品は、インナーとして大活躍します。たとえば、小倉屋の「8121 DRY帯電防止長袖Tシャツ」を見てみましょう。
◆小倉屋の「8121 DRY帯電防止長袖Tシャツ」

肌に直接触れるものだからこそ、不快なパチパチ感を防ぐ高い機能性が求められます。 安全で快適な作業環境を足元から支える、隠れた必須アイテムです。

帯電防止ポロシャツで安全と快適性を実現する4つのステップ
自分たちの現場にはどのようなポロシャツが合うのか、迷ったときは基本に立ち返りましょう。ここでは、帯電防止ポロシャツの機能、効果、用途を選ぶために知っておきたい4つのステップを解説します。
ステップ①帯電防止の機能を知る
まずは、帯電防止機能の目的を正しく理解することが重要です。帯電防止ポロシャツは、人体や衣服に「静電気がたまるのを防ぐ」ために設計されています。
電子機器や精密部品を扱う作業現場では、静電気が発生すると次のようなリスクがあります。
- 電子部品の破損(静電放電によるESD破壊)
- ホコリや微粒子の付着による不良品の発生
- 火花による火災・爆発の危険(可燃性環境の場合)
つまり、帯電防止ポロシャツは、安全性・品質管理・快適性のために不可欠なアイテムです。
ステップ②素材(帯電防止繊維)ごとの違いを比較する
最も大きく帯電防止に影響するのが「素材(繊維)」です。一般的な繊維に導電性の高い素材を織り込むことで、静電気を逃がす仕組みを作ります。
◆主な帯電防止素材の特徴
| 繊維タイプ | 帯電防止の仕組み |
| 銀繊維(Ag) | 導電性が高く、静電気を即座に逃がす。 |
| 銅繊維(Cu) | 銀よりやや導電性が低いが静電気を逃がす能力あり。 |
| カーボン(炭素)繊維 | 繊維に微細カーボンを混入、静電気を分散・放電。 |
近年では、コットンとポリエステルにカーボン糸を組み合わせた素材が人気です。 これは「T/C素材」と呼ばれ、綿のやわらかさに加えてポリエステルの速乾性と帯電防止の効果を併せ持つ、「良いとこ取り」をした素材です。
ステップ③生地の編み方の違いを知る
帯電防止生地は、一般的なポロシャツの編み方(ニット)をベースに、導電繊維を組み込む編み方で作られます。生地が「点」で肌に触れるか「面」で触れるか、また伸縮性の違いによって着心地に大きく影響します。
そのため、まずはポロシャツによく使われる代表的な編み方の特徴を以下の表で確認しておきましょう。
◆代表的な編み方(生地の構造)
| 編み方 | 特徴・メリット | 用途例 |
| 丸編み(カノコ等) | 筒状に編まれるため継ぎ目が少なく、伸縮性が高い。通気性が良いのも特徴 | Tシャツ、肌着 |
| 平編み | 平面状に編まれ、しっかりとしたハリやコシがあり、耐久性が高い | セーター、ポロ シャツ |
| ワッフル編み | 表面に凹凸があり、空気の層を作るため保温性と通気性を両立できる | 現場用Tシャツ |
さらに、帯電防止ポロシャツでは「導電糸をどのように配置するか」という特殊な編み方も重要になります。導電糸の入れ方によって、表面抵抗(電気の逃げやすさ)や放電経路が変わるからです。こちらもあわせて知っておきましょう。
◆電糸の配置による編み方の違い
| 編み方 | 特徴・メリット |
| インターシーム編み | 表面抵抗が均一。静電気分散経路が安定。 |
| パネル編み(ストライプ状 | 抵抗値を局所的に制御可能。デザイン性も良い。 |
| リブ編み襟・袖 | 静電気が集中しやすい袖口・襟で放電経路を確保。 |
このように、同じ素材であっても、編み方や導電糸の配置によって性能や着心地に差が出る点を覚えておいてください。
ステップ④帯電防止の効果
適切な素材と編み方のポロシャツを選ぶことで、現場には3つの大きなメリットが生まれます。それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
効果1. 静電気蓄積の抑制
衣服や人体に静電気がたまると、パチパチ感や小さな放電(ESD)が発生します。
帯電防止ポロシャツは 導電繊維や加工により静電気を逃がす経路を形成します。
結果として、パチパチとした不快感の軽減体表面の電位上昇の抑制が可能です。
効果2. 電子部品・精密機器保護
静電気放電(ESD)は半導体や電子部品に致命的なダメージを与えることがあります。帯電防止ポロシャツを着用すれば、人体からの放電リスクの低減が可能です。
これにより、不良品の発生率が低下し、製造ラインや組み立て作業での安定性が向上します。
効果3. ホコリ・微粒子付着の抑制
静電気により、ホコリや微細粉塵は衣服や手に付着しやすいです。帯電防止ポロシャツは表面の静電気を分散するため、粉塵吸着を減らす効果があります。
クリーンルームでは防塵衣(クリーンガウン)のインナーとして、また、ホコリを嫌う精密加工の現場などで、品質向上に貢献します。

帯電防止ポロシャツでよくある3つの質問
帯電防止ポロシャツに関して、購入前やお手入れの際によく疑問に思われる点をQ&A形式でまとめました。それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問①帯電防止ポロシャツは洗濯しても効果は持続しますか?
帯電防止ポロシャツは、生地に導電糸を織り込んだり、特殊な加工を施したりすることで機能を持たせています。基本的には洗濯への耐久性は高いですが、永久に効果が続くわけではありません。
摩擦で導電糸が切れたり、加工が薄れたりすると、徐々に効果は低下してしまいます。 機能を長く維持するために、以下の点に注意してケアを行いましょう。
- 洗濯表示を必ず確認し、中性洗剤を使って優しく洗う
- 柔軟剤や漂白剤は、導電性能を低下させる要因になるため、使用は避ける
- 劣化は見た目で判断しづらいため、定期的に表面抵抗測定などでチェックする
正しいお手入れを心がけることが、現場の安全を確実に守ることにつながります。
質問②綿素材とポリエステル素材、どちらが良いですか?
どちらの素材が良いかは、具体的な作業環境や重視したいポイントによって異なります。 それぞれの素材には明確な特徴がありますので、以下の比較を参考に選んでみてください。
- 綿+導電糸混紡
肌触りがよく吸湿性に優れているため、長時間の着用でも快適。火気を扱う現場にも適しているが、表面抵抗値は中程度となる傾向がある
- ポリエステル+導電糸混紡
耐久性と速乾性に優れている。摩耗や繰り返しの洗濯に強く導電性能が長持ちするが、通気性や吸湿性は綿よりも劣る場合がある
現場で「快適さ」を優先するのか、それとも「耐久性」を優先するのかによって、最適な素材を選定しましょう。
質問③帯電防止ポロシャツだけで静電気対策は十分ですか?
残念ながら、ポロシャツ単体では、人体からの静電気放電リスクを完全に防ぐことはできません。静電気対策は「点」ではなく「線」で考える必要があります。
靴(静電靴)、静電気防止マット、接地装置(アース)と併用することで、ESD(静電気放電)対策としての効果を最大化できます。
とくに、精密電子部品の組み立てラインや、引火のリスクがある可燃性環境では、トータルでの静電気対策が必須となります。足元から衣服、作業台に至るまで、電気が逃げる通り道を確実に確保することで、事故や不良品の発生を未然に防ぎましょう。

最適な帯電防止ポロシャツで安全と快適を手に入れよう!
帯電防止の効果は、「帯電防止機能」「素材」「編み方」「効果」の4つの要素で決まります。これらの違いを理解すれば、使用環境に最適な帯電防止ポロシャツを選べるようになります。
この記事で紹介した安全で快適な帯電防止の効果を実現するために知っておきたいポイント4つのステップをぜひ参考にしてみてください。
● ステップ①帯電防止の機能を知る
● ステップ②素材(繊維)ごとの違いを比較する
● ステップ③生地の編み方による違いを知る
● ステップ④帯電防止の効果
これらの基礎知識を身につけた上で、次は実際に信頼できるメーカーの製品をチェックしてみましょう。
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