衣類は使用されている素材ごとに肌触りが異なるため、なかには、ポリエステルの肌触りについて知りたい方もおられるのではないでしょうか。ポリエステルは、表面が滑らかで心地よい触感があり、速乾性の高さから人気があります。
本記事では、ポリエステルの肌触りや特徴、メリット・デメリットについて解説します。また、よくある質問についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ポリエステルの肌触りとは?
ポリエステルは、石油を原料とした化学繊維であり、その最大の特徴の1つは「サラッとした肌触り」です。また、ポリエステルの表面は滑らかで、心地よい触感も特徴です。
また、この素材は紡績方法の工夫によって異なる風合いを生み出せるため、ほかの天然素材と混ぜれば、綿に近いやわらかさも実現できます。このような特徴により、快適な着心地が提供できるため、多くの衣料品に利用されています。
ポリエステルの特徴
ポリエステルは、その優れた耐久性と防シワ性で知られ、長期間の使用にも適しています。この素材は、摩耗に強く、形状を維持できる特徴があるため、手入れが簡単な衣類として人気があります。
さらに、速乾性が高く、汗をかいた際にも快適に過ごせるのが特徴です。ただし、通気性においては綿に劣るため、気温や湿度に応じた使い分けが必要です。とくに、暑い季節には、ほかの通気性の良い素材との組み合わせを検討してみてください。
ポリエステルのメリットは3つ
最後に、ポリエステルのメリットについて解説します。
- 耐久性が高い
- 洗濯しやすい
- シワになりにくい
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.耐久性が高い
ポリエステル繊維は、その優れた耐久性から、頻繁な洗濯にも影響を受けにくい素材として知られています。ほかの繊維と比べても、強度が高く切れにくいため、繰り返しの洗濯でも縮みや型崩れがほとんど発生しません。
また、紫外線や高温にも強いため、色あせしにくく、屋外での使用にも適しています。このため、日常の衣類からアウトドア用品まで幅広く使用されています。
2.洗濯しやすい
ポリエステル100%の生地は、そのメンテナンスの容易さが大きな魅力です。まず、シワができにくく、形状を保ちやすいという特徴があります。また、縮みの心配も少なく、洗濯後も元の形状を保持します。
さらに、ポリエステルは高温で染色されるもののため、色落ちや色移りがしにくい点も特徴です。これにより、鮮やかな色合いが長持ちし、ほかの衣類と一緒に洗っても安心です。
3.シワになりにくい
ポリエステルは、シワになりにくい特性があります。洗濯後も形状をしっかりと保つため、アイロンをかける必要が少ない点がメリットです。
このため、毎日のメンテナンスが容易で、忙しい日常でも手入れの手間がかかりません。また、加熱により形が固定されやすい性質を持つため、プリーツデザインなどの装飾にも適しており、デザインの自由度が高い点も魅力です。
ポリエステルのデメリットは3つ
最後に、ポリエステルのデメリットについて解説します。
- 火に弱い
- 静電気が起こりやすい
- 汚れを吸着しやすい
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.火に弱い
ポリエステル素材は石油を原料としているため、火花が当たると穴が開きやすいという欠点があります。また、アイロンをかける際には注意が必要で、洗濯表示に従って低温での使用が推奨されています。
また、高温のアイロンを当てると、生地の繊維が溶けて光沢が出てしまうケースがあるため、必ずあて布を使用するなどの対策が必要です。このような特性を理解し、適切に取り扱えば、ポリエステルの良さを最大限に引き出せます。
2.静電気が起こりやすい
ポリエステルは静電気を帯びやすい素材で、乾燥した季節にはその影響が強くなります。これは、ポリエステルがマイナスの電荷を帯電しやすいため、プラスに帯電しやすい素材(ナイロンやウール)と組み合わせた場合、静電気が発生しやすくなるのが原因です。
また、この静電気は毛玉やほこりの付着を引き起こす場合もあります。そのため、冬季など静電気が起こりやすい環境では、柔軟剤や静電気防止スプレーを使った対策が効果的です。
3.汚れを吸着しやすい
ポリエステル素材の衣類は、臭いや汚れが吸着しやすい点に注意が必要です。とくに、汗や皮脂などの汚れが繊維に残りやすく、洗濯を怠ると不快な臭いが定着してしまう場合があります。
このため、ポリエステル製品を快適に保つためには、着用後の洗濯が欠かせません。また、強力な洗浄力を持つ洗剤や、臭いの除去効果がある洗剤を使用すれば、清潔さを保ちやすくなります。
ポリエステルの肌触りでよくある3つの質問
最後に、ポリエステルの肌触りでよくある質問をご紹介します。
- 質問1.汗かきの人は綿とポリエステルのどちらがいい?
- 質問2.ポリエステルの衣類を洗濯する際の注意点は?
- 質問3.ポリエステル生地がよく使われているアイテムは?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.汗かきの人は綿とポリエステルのどちらがいい?
スポーツウェアにはポリエステル素材がよく使用されていますが、その理由は軽量で動きやすく、吸水性が低いため汗をかいても重くならない点にあります。しかし、ポリエステルは汗の臭いや汚れが繊維に残りやすいため、汗をかきやすい部分には注意が必要です。
臭いをしっかり取るためには、部分洗いを行ったり、洗剤を溶かしたぬるま湯でつけ置き洗いをしたりするのが効果的です。このような工夫により、スポーツウェアを清潔に保てます。
なお、綿とポリエステルそれぞれの特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:綿とポリエステルの特徴とは?それぞれのメリット・デメリットやよくある質問をご紹介!
質問2.ポリエステルの衣類を洗濯する際の注意点は?
ポリエステル衣類はシワになりにくく、メンテナンスが簡単な点が人気ですが、適切に洗濯しないと汚れがたまったり毛玉ができたりしやすくなります。
まず、洗濯前に必ず洗濯表示を確認するようにしましょう。また、ポリエステルは汚れが吸着しやすいため、黒ずみの原因となる汚れが多いものとは分けて洗うようにしてください。
質問3.ポリエステル生地がよく使われているアイテムは?
ポリエステルは、その軽さと丈夫さ、速乾性からさまざまな用途で活用されています。ポロシャツやスポーツウェア、登山用の衣類、シャツ、バッグなどの日常用品に加え、近年では和服にも利用されるようになりました。
とくに、正絹の着物は非常にデリケートで保管中の色落ちが問題になる場合がありますが、ポリエステルの使用により耐久性が向上し、色落ちのリスクも軽減されます。
なお、ポロシャツに使用される主な素材については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:ポロシャツに使用される主な素材は5つ|生地との違いや着用シーンについても解説します!
まとめ
本記事では、ポリエステルの肌触りや特徴、メリット・デメリット、よくある質問について紹介しました。
ポリエステルは、石油を原料とした化学繊維であり、滑らかな表面と心地よい触感が特徴です。また、この素材は摩耗に強く、形状を維持できる特徴があるため、洗濯や手入れが簡単な衣類として人気があります。
さらに、速乾性が高く、汗をかいた際にも快適に過ごせるのが特徴です。ただし、火に弱く、汚れを吸着しやすい点には注意しなければなりません。このようなメリット・デメリットを理解し、ポリエステル素材の衣類を着用するようにしてください。
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