暑くて過酷な労働環境下で作業する方で、少しでも快適に過ごしたいと感じている方も多いのではないでしょうか。このような場合は、接触冷感素材を使用した作業着がおすすめで、熱中症対策としても注目されています。
本記事では、涼しい作業着の概要や接触冷感の効果が高い素材、作業着で活用する場合の注意点をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
涼しい作業着とは?
作業着には、年間を通して使用できる「通年(秋冬)用」と、暑い季節に適した「春夏用」の2種類があります。夏場の作業環境をより快適にするために、「涼しい機能」が備わった作業着が注目されています。
春夏用作業着は、軽くて通気性がよい素材で作られており、暑い日でも作業中の快適さを向上させるのが特徴です。また、電動ファン付きの作業服や接触冷感素材のアイテムも毎年発売されており、熱中症対策として活用されています。
接触冷感の仕組み
接触冷感素材は、体温を効率的に奪って冷たさを感じさせる特殊な繊維を使用しています。熱伝導率が高い素材は、肌に触れた瞬間に熱を吸収して、冷たさを感じやすくするため、夏場や暑い環境でも快適です。
また、肌触りはサラッとしており、汗をかいてもベタつきにくく、清涼感を保ちます。さらに、肌にまとわりつかない工夫も施されており、シャリ感が涼しさを引き立てます。
接触冷感の効果が高い素材は3つ
次は、接触冷感の効果が高い素材について解説します。
- 麻
- 絹
- ポリエステル
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.麻
麻は、Q-maxの数値が0.35〜0.4と高く、熱を素早く逃がす特性を持っています。さらに、吸湿性と通気性にも優れており、汗をすぐに吸収し、速乾性が高いため、暑い季節でも快適です。
しかし、麻は少し硬めの質感があるのが特徴です。このため、肌に触れた際にザラザラとした感覚が気になる人も少なくありません。
2.絹
絹は、天然繊維のなかでも熱伝導性が高く、Q-maxの値は約0.3であるため、触れた瞬間に心地よい冷感が特徴です。また、絹の主成分であるタンパク質は、人間の肌と似た構造を持っているため、肌にやさしく、しっとりとした質感があります。
しかし、非常に繊細な素材であるため、洗濯時には手洗いや、専門のクリーニング店でのケアが欠かせません。
3.ポリエステル
ポリエステルは、Q-maxの値が0.3〜0.35程度で、合成繊維の一種です。この素材はシワがつきにくく、防虫剤の影響を受けにくいという特性がありますが、においやよごれは吸着しやすい性質も持っています。
このため、ポリエステル製品を使用する際には、定期的な手入れや適切な洗濯方法が大切です。においが残りやすいため、換気のよい場所での保管や消臭対策も欠かせません。
なお、綿とポリエステルの特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:綿とポリエステルの特徴とは?それぞれのメリット・デメリットやよくある質問をご紹介!
作業着で接触冷感素材を活用する場合の注意点は3つ
次は、作業着で接触冷感素材を活用する場合の注意点について解説します。
- 冷却効果は一時的なもの
- Q-maxの高さだけで選択しない
- 吸湿性・吸水性のある素材を選ぶ
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.冷却効果は一時的なもの
接触冷感素材の肌に触れた瞬間の冷たさは一時的であるため、長時間冷感が維持されるわけではありません。このため、夏場の作業では、ほかの熱中症対策を検討しなければなりません。
接触冷感素材を活用する場合でも、こまめな水分補給や休憩を取るなどの予防策を併用する必要があります。また、体調管理も大切で、前日から十分な休養を取り、作業中は無理をせずに適切に休憩を取るようにしてください。
2.Q-maxの高さだけで選択しない
冷感素材の快適さは、熱伝導性や吸湿性、吸水性、着心地といった複数の要素のバランスによって決まります。Q-maxの値が高いから快適というわけではなく、冷感レベルの感じ方は個人差があります。
このため、それぞれのニーズに合った選択が大切です。たとえば、冷えやすい人には冷感レベルを抑えたもの、暑がりな人には高いレベルの素材を選ぶと効果的です。
3.吸湿性・吸水性のある素材を選ぶ
作業中に汗をかく環境では、汗を素早く吸収して蒸発させる機能が求められます。吸湿性が低い素材は、汗をかいた際に肌にまとわりつき、不快感を引き起こしやすくなります。
このため、汗を吸収して素早く乾かす「吸汗速乾性」を備えたユニフォームや作業服がおすすめです。これにより、長時間の着用でも快適さを保ちやすく、夏場にも最適です。
作業着 涼しいでよくある3つの質問
最後に、作業着 涼しいでよくある質問について紹介します。
- 質問1.接触冷感値の基準 Q-maxとは?
- 質問2.接触冷感インナーの選び方は?
- 質問3.冷感ポロシャツとは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.接触冷感値の基準 Q-maxとは?
Q-maxは、接触冷感素材が肌に触れた際にどれだけ冷たく感じるかを数値化したものです。この数値は、熱が肌から素材にどのくらい速く移動するかを測定しており、数値が大きいほど、より強い冷さを感じられます。
一般的には、Q-maxが0.2以上あれば接触冷感を実感できますが、冷たさを強調した商品では0.3以上が多く、0.4を超えると非常に冷たく感じられる場合が多いです。
参照:一般財団法人カケンテストセンター「接触冷感性試験(JISL 1927)」
質問2.接触冷感インナーの選び方は?
接触冷感インナー選びでは、以下のような機能があるものを選びましょう。
- UVカット機能
ロングスリーブタイプのインナーが多く、日焼けや免疫機能の低下を防ぐため、疲労感の蓄積も軽減できる。インナー用には、接触冷感とUVカットがセットになっているものがおすすめ
- 消臭加工
夏場の汗によるにおいは洗濯しても落ちにくい場合があるため、消臭機能があるインナーがおすすめ
なお、ポロシャツの下に着る長袖を選ぶポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:ポロシャツの下に着る長袖を選ぶポイントとは?着るべき理由やよくある質問をご紹介!
質問3.冷感ポロシャツとは?
冷感ポロシャツは、炎天下や空調のない環境でも涼しさを感じられる熱中症対策アイテムです。一般的なポロシャツよりも冷感効果が高く、快適に過ごせるため、クールビズアイテムとしても人気があります。
また、この冷感ポロシャツを1枚着用するだけで、涼しさを保ちながら作業ができます。さらに、一般的な作業着よりも手軽に購入できる点も魅力です。
まとめ
本記事では、涼しい作業着の概要や接触冷感の効果が高い素材、作業着で活用する場合の注意点をご紹介しました。
作業着で涼しく過ごしたい場合には、接触冷感素材のものがおすすめです。接触冷感の仕組みは、肌に触れた瞬間に熱を吸収して、冷たさを感じやすくします。接触冷感の効果が高い素材としては、通気性のよい麻や絹、軽量で使いやすいポリエステルなどが挙げられます。
それぞれの素材にメリットやデメリットがあるため、自分に合ったものを選ぶようにしてみてください。しかし、冷却効果は一時的であるため、Q-maxの数値だけで選ばず、吸湿性のあるものを選びましょう。
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