作業着に付着した油汚れにより、困っている方も多いのではないでしょうか。油汚れは水や普段の洗剤だけでは簡単に落とせないため、下処理が大切なポイントです。
本記事では、作業着に付着した油汚れが落としにくい理由や油汚れを落とすポイントをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
作業着に付着した油汚れが落としにくい理由とは?
まず、作業着に付着した油汚れが落としにくい理由について解説します。
- 油汚れは水になじみにくい
- 時間が経つほど衣類の繊維に染みつきやすい
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
油汚れは水になじみにくい
衣類の汚れは性質によって、異なるアプローチが必要です。水溶性の汚れは水に溶けやすく、簡単に洗い流せます。一方で、油溶性の汚れは性質上、水との相性が悪く、一般的な水洗いだけでは十分に除去できません。
このため、油汚れに対しては専用の洗剤を使ったり、適切な前処理をしたりする必要があります。適切な洗浄方法を選択できるようになれば、日々のケアがより効果的になります。
時間が経つほど衣類の繊維に染みつきやすい
油汚れは、時間が経過すると汚れが繊維に深く浸透して、落とすのが難しくなる傾向があります。また、油汚れは放置すると酸化が進み、固着しやすくなるため、早期に適切な洗浄方法を施す必要があります。
さらに、古い汚れのうえに新たな汚れが重なると、複雑な層を形成して、取り除くのがより困難です。このため、汚れが付着した際はすぐに専用の洗剤や処理剤を使い、できるだけ迅速な対処が衣類を清潔に保つためのポイントです。
作業着に付着した油汚れを落とすポイントは3つ
次に、作業着に付着した油汚れを落とすポイントについて解説します。
- 下洗いする
- 浸け置き洗いする
- 擦り洗いする
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.下洗いする
油汚れのついた作業着に、直接洗剤を使用するのではなく、表面の油を取り除くための下処理をしましょう。油汚れは水となじみにくいため、40〜60度程度のお湯を使用するのが最適です。この際、バケツなどを用いて作業着を浸して、油が浮き上がるまで軽くもみ洗いをしましょう。
お湯が汚れたら新しいお湯に替え、繰り返し洗浄すれば、汚れが徐々に落ちやすくなります。この下処理を十分に実施した後で洗剤を使用すれば、より効率的に汚れを除去できます。
2.浸け置き洗いする
油汚れのついた作業着を洗濯機に入れる前に、お湯を使った浸け置きが効果的な方法です。油は温度が高いと粘性が下がり、繊維から汚れが浮きやすくなるため、40〜60度のお湯を使いましょう。
専用の洗剤を使用する場合、粉末タイプと液体タイプにはそれぞれ利点があります。粉末洗剤は高い洗浄力で頑固な汚れに効果を発揮しますが、水に溶けにくい点に注意が必要です。
一方、液体洗剤は溶けやすく部分洗いに便利ですが、洗浄力はやや劣る傾向があります。浸け置きの時間は半日程度が目安で、汚れの落ち具合に応じて洗剤液を交換すると効果的です。
3.擦り洗いする
浸け置き後の仕上げとして、汚れが残っている部分に集中して洗浄しましょう。頑固な油汚れには、ブラシやスポンジを使用して軽く擦ると、繊維に絡まった汚れを効率よく取り除けます。
しかし、強く擦りすぎると作業着の繊維を傷つける可能性があるため、適度な力加減を保たなければなりません。洗剤を使用する際は、事前に泡立ててからブラシに付ければ、洗浄効果を高めつつ摩擦を軽減できます。
油汚れが付着した作業着を洗う際の注意点は3つ
次に、油汚れが付着した作業着を洗う際の注意点について解説します。
- 洗濯表示を確認する
- 柔軟剤を使用しない
- ゴム手袋を着用する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.洗濯表示を確認する
油汚れの洗浄ではお湯を使うのが効果的ですが、作業着の素材や製品ごとに適した温度が異なります。このため、洗濯表示に記載されている洗浄温度の上限を確認しましょう。液温が30度や40度と指定されている場合、高温のお湯で洗うと生地を傷める可能性があるため注意が必要です。
また、「手洗い」の表示がある場合は、デリケートな素材と判断して、洗濯機の使用は避けるべきです。表示内容をしっかりと確認すれば、作業着の状態を保ちながら油汚れを効果的に落とせます。
なお、撥水加工の作業着を洗濯する際の注意点について、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:撥水加工の作業着を洗濯する際の注意点は3つ|長持ちさせるポイントやよくある質問も解説!
2.柔軟剤を使用しない
柔軟剤は衣類を柔らかく仕上げ、香りをプラスするため、多くの家庭で使用されています。しかし、油汚れが残っている衣類に柔軟剤を使うと問題が生じかねません。柔軟剤には衣類の表面に薄い被膜を作る作用があり、この被膜が汚れを覆ってしまうため、洗剤が汚れに直接届きにくくなります。
これにより、油汚れがさらに落ちにくくなる場合があります。油汚れが付着している衣類を洗う際は、汚れを十分に落とす工程を優先して、柔軟剤の使用は仕上げの段階に回すのが効果的です。
3.ゴム手袋を着用する
作業着を洗う際に、専用の洗剤を使う場合、手肌への影響に注意が必要です。作業着用洗剤は、頑固な油汚れを落とすために強アルカリ性に調整されており、洗浄力の高さから、皮膚のたんぱく質や皮脂にも影響をおよぼしかねません。
もし、これらの洗剤を素手で扱うと手荒れや乾燥、さらには皮膚にダメージを引き起こす可能性があります。手洗いや部分洗いの際は、必ずゴム手袋やビニール手袋を使用して、洗剤が直接手に触れないようにしましょう。
作業着の油汚れでよくある3つの質問
最後に、作業着の油汚れでよくある質問について解説します。
- 質問1.油汚れはベンジンで落とせるの?
- 質問2.油汚れのついた作業着を洗濯機で洗う場合の注意点は?
- 質問3.作業着をこまめに洗濯するためのポイントは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.油汚れはベンジンで落とせるの?
頑固な油汚れを効果的に落とす方法として、油を溶かす性質を持つベンジンやクレンジングオイルを活用する方法があります。
汚れた部分の下に古いタオルを敷き、不要になった歯ブラシにベンジンをつけて、汚れた箇所を軽く叩いていきます。この際、力を入れすぎると生地が傷むため、優しく叩きましょう。
汚れが徐々にタオルに移るのを確認しながら作業を進めます。また、クレンジングオイルを使う場合は、弱酸性の粉末洗剤と混ぜてペースト状にして、同様に叩き込むと効果を発揮しやすいです。
その後、残った汚れには食器用洗剤を使って手で軽く揉み洗いを行い、最後に洗濯機で通常の洗濯を行えば、かなりきれいに仕上がります。
質問2.油汚れのついた作業着を洗濯機で洗う場合の注意点は?
汚れがひどい作業着をそのまま洗濯機に入れると、洗濯機に負担がかかるだけでなく、故障や洗浄不足の原因になる場合があります。
作業着に付着した油汚れや泥汚れは、家庭の通常の洗濯では想定されていない量や性質を持つため、洗濯槽に汚れが蓄積して性能低下や嫌な臭いを引き起こしかねません。
これらを防ぐためには、予洗いや漬け置き洗いをして、作業着の汚れを事前に取り除いておく必要があります。この手順を踏むと、洗濯機への負担を軽減できると同時に、作業着自体もよりきれいに洗い上げられます。
質問3.作業着をこまめに洗濯するためのポイントは?
作業着をこまめに洗濯するためのポイントは、以下のとおりです。
- 脱水をしっかりする
通常の衣類より少し長めに脱水を設定して、1回目の脱水後に一度取り出して軽くシワを伸ばしてから再度短時間脱水すると、乾燥効率が高まる
- 扇風機やサーキュレーターを使用する
部屋干しの場合、空気を循環させるのが望ましい。エアコンの除湿機能と併用すると、湿気を素早く取り除ける
- 干し方
生地が重ならないように工夫して、風通しを確保する。上着はバンザイ干し、ボトムは筒干しにすれば、乾燥が均一に進む
- 作業着選び
速乾性や汚れの落ちやすさを考慮して、ポリエステル混紡の素材を選ぶと洗濯後の手間を軽減できる
まとめ
本記事では、作業着に付着した油汚れが落としにくい理由や油汚れを落とすポイントをご紹介しました。
作業着に付着した油汚れが落としにくい理由は、油溶性の性質上、一般的な水洗いだけでは十分に除去できず、時間が経過すると汚れが繊維に深く浸透するためです。このため、早期に適切な洗浄方法を施す必要があります。
また、効果的に油汚れを除去するためには、40〜60度程度のお湯で下洗い後、専用洗剤で半日程度浸け置きを実施し、ブラシやスポンジを使用して擦り洗いすると汚れが落ちやすくなります。
しかし、専用洗剤は手荒れや乾燥、皮膚へのダメージを引き起こす可能性があるため、必ずゴム手袋やビニール手袋を使用しましょう。
なお、油汚れの作業着を洗う前には、洗濯表示に記載されている洗浄温度の上限を確認してください。さらに、柔軟剤は使用しないようにしましょう。これらのポイントに注意し、作業着を正しい方法でケアするようにしてください。
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