撥水加工が施された衣服の洗濯やケアについて、正しい方法を理解したいという方もおられるのではないでしょうか。撥水加工を長期間維持するためには、適切なケアが欠かせません。
本記事では、撥水加工の仕組みや長持ちさせるポイントについて解説します。また、撥水加工の作業着を洗濯する際の注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
撥水加工の仕組み
撥水加工と防水加工は、それぞれ異なる目的と機能を持っています。防水加工は服全体を薄い膜でコーティングし、水の侵入を完全に防ぐため、優れた防水性を提供しますが通気性が失われます。
一方、撥水加工は繊維の表面に撥水基を形成し、水を弾く構造です。撥水加工は通気性を保ちながら水を弾くため快適ですが、長時間の水の接触で効果が減少する場合があります。また、撥水機能は洗濯や汚れの蓄積によって劣化するため、定期的なメンテナンスが必要です。
なお、防水加工と撥水加工の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:防水加工と撥水加工の違いとは?メリット・デメリットや防水作業着を選ぶポイントをご紹介!
撥水加工を長持ちさせるポイント
撥水機能を持つ衣服の効果は、永続的なものではありません。とくに汗や皮脂の汚れ、頻繁な洗濯によって、その撥水性能は徐々に弱まっていきます。そのため、撥水加工が施された衣服を長く使用するためには、適切なメンテナンスが必要です。
誤った方法で手入れを行うと、撥水性が大きく損なわれるリスクが高くなるため、正しいケアの方法を理解し、実践するようにしましょう。
撥水加工の作業着を洗濯する際の注意点は3つ
次に、撥水加工の作業着を洗濯する際の注意点について解説します。
- 撥水専用の洗濯洗剤を使用する
- 柔軟剤を使用しない
- 洗濯機は「ドライコース」を使用する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.撥水専用の洗濯洗剤を使用する
撥水加工を保ちながら洗浄するためには、専用の洗剤を使用するのが理想的です。この専用洗剤は、汚れを取り除きつつ素材の質感を維持し、撥水性能を劣化させずに洗い上げてくれます。
しかし、こうした専用洗剤は一般的な店舗では取り扱われていない場合が多く、インターネットでの購入が主な入手方法となります。もし入手が難しい場合には、一般的な中性洗剤でも代用できますが、洗浄後には撥水スプレーを使用するのがおすすめです。
2.柔軟剤を使用しない
撥水加工が施された衣服を洗濯する際は柔軟剤の使用は避けるべきです。柔軟剤には生地をコーティングする作用があり、これが撥水機能を劣化させる原因となります。
撥水加工は繊維の表面に水を弾く層を形成するため、柔軟剤による追加のコーティングが撥水効果を損なうことになります。そのため、撥水性を長持ちさせたい場合は、柔軟剤を使わずに洗濯することが大切です。
3.洗濯機は「ドライコース」を使用する
撥水加工された衣服を洗濯する際は、できるだけ生地を傷めないように洗濯方法に気を使うことが重要です。洗濯機で洗う場合は、「ドライ」や「弱水流」などのソフトな洗濯コースを選び、洗濯ネットに入れて優しく扱いましょう。
また、洗剤が残らないよう、すすぎは通常よりもしっかりと行うのがおすすめです。脱水については、長時間の設定は撥水コーティングにダメージを与えるため、可能な限り短時間に抑えるようにしましょう。
撥水加工 洗濯でよくある3つの質問
最後に、撥水加工 洗濯でよくある質問をご紹介します。
- 質問1.手洗いする場合の注意点は?
- 質問2.干すときのポイントは?
- 質問3.撥水機能が復活する方法は?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.手洗いする場合の注意点は?
撥水加工された衣服を手洗いする際は、ぬるま湯に浸し、優しく押し洗いを行うのが基本です。とくに首元や襟元のような汚れがたまりやすい部分には、スポンジややわらかい布を使って丁寧にこするのが効果的です。
また、撥水性を保つためには洗剤の残留を避けるのが重要なため、すすぎは徹底的に行いましょう。ポケットやフードの内部にも洗剤が残らないよう、しっかり確認してください。すすぎ後はタオルで包んで軽く押さえ、水分を吸い取ることで素材への負担を軽減できます。
質問2.干すときのポイントは?
撥水加工された衣服を乾かす際には、直射日光は避けるようにしてください。強い紫外線は生地を劣化させ、撥水効果を低下させる原因になります。そのため、風通しの良い日陰での自然乾燥がおすすめです。
また、湿気が残ると撥水効果に悪影響を与える可能性があるため、完全に乾燥するまで十分に干しましょう。風通しの良い環境での陰干しを心がけることで、生地の品質を維持し、撥水機能を長持ちさせられます。
質問3.撥水機能が復活する方法は?
撥水加工が弱まった衣服に熱を加えると、撥水機能を復活させられます。洗濯後に乾燥機を使う、またはアイロンを使用すれば、繊維が立ち、撥水性が回復します。
ただし、アイロンを使用する場合は必ず洗濯表示を確認し、適切な温度で行ってください。また、ドライヤーの温風を当てるのも有効な方法です。これらの熱処理により撥水機能を回復させられるため、適切な手順で定期的にメンテナンスを行いましょう。
まとめ
本記事では、撥水加工の仕組みや長持ちさせるポイント、撥水加工の作業着を洗濯する際の注意点について解説しました。
撥水加工は、生地の表面に水を弾く性質を持たせて、作業着や衣服を雨やよごれから守るための技術です。この撥水効果を持続させるためには、正しいメンテナンスが欠かせません。
洗濯の際は撥水専用の洗剤を使用し、柔軟剤の使用は避けましょう。なぜなら、柔軟剤は撥水効果を低下させる可能性があるためです。また、洗濯機を使用する際は「ドライコース」を選択して、生地へのダメージを極力抑えるようにしましょう。
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